杵築紅茶のお話 後編

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 時は流れ1996年のこと。ムジカに一通の封筒が送られてきました。杵築からでした。

初めて味わう「べにたちわせ」は、スリランカ高地の銘茶カーカスウォードに共通する独特の香りと甘み、味わい深さをもつものでした。
紅茶作りの為に杵築に戻った、松山医師の孫娘夫妻の阿南さんが祖父の意思を引き継いで紅茶作りを再開したのです。

「日本でこんなにいい紅茶が作られていたなんて!」という感動と共に、その年からムジカでの販売が始まりました。

 阿南さんの茶畑は杵築市街を越えて遠く別府湾をのぞむ山の中腹にあります。
扇形に広がる茶畑の要のところに阿南さんのお父さん(松山 意佐美の長男)の植えた匂い桜の大木が枝を伸ばして立っており、製茶はその桜の木の後ろに建てた山の家で行われています。
製茶機械の中には足踏みミシンの部品からなる自作のものもあり、独自の工夫が多く見られます。

今年もいただいた紅茶の香りに感動と安心感を覚え、なぜこんなに美味しい紅茶が作れるのかと考えるとき、阿南さんご夫妻の紅茶作りに対して真摯に向き合っている姿と今日に至るまでの奮闘、そして、阿南さんを通して松山氏の存在が確固としてあるのを感じるのです。


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