【神戸阪急店店長】英米「紅茶論争」完璧な紅茶をいれるにはひとつまみの塩?!

皆さんこんにちは。神戸阪急店店長の笹岡です。
先日BBCNEWSで面白い記事をみつけました。

アメリカを拠点とする科学者が「完璧な一杯」を入れる秘訣を発見したと主張しているのですが、なんとひとつまみの塩とレモンを加えると言っているのです。

し、塩?!

え、えぇー…。

紅茶に塩を入れるということは実は真新しいアイデアでもないそうなのですが、塩には紅茶の苦みを感じさせる受容体をブロックできるのだとか。味を変えない程度の、ほんのひとつまみの塩を加えるだけで飲みものの苦みを中和出来ると。

ホンマかいな。と半信半疑のなかやってみましたよ。紅茶に塩。

こ、これは!!!

苦みというか渋みが軽減されているかは正直分からなくて、ただ塩をいれることで「あれ?」と思ったのは飲み込んだ後の舌の奥の方で、えぐみみたいなのが残るように僕は感じました。

個々の好みの問題ではあると思うけれど、僕は美味しいとは言い難いかな。

レモンを入れることを進めているのは紅茶の表面に現れるアクを取り除くことが出来ると言われているのですが、これについては日本では関係ない話かなと思います。
アメリカやイギリスは日本の水と違い硬度が高いので、アクみたいなものが浮いてくるんですよね。
恐らくそのことを言っているんだと思います。

紅茶はイギリスの文化的な飲みものであり、国民の約50%が毎日一日1杯から3杯紅茶を飲み、その内の20%が一日5杯~10杯紅茶を飲んでいると言われています。毎日推定1億杯分の紅茶が消費されているそうです。

今回のこの紅茶騒動はアメリカのCNNで「約250年前ボストン茶会事件以来となるアメリカとイギリスの外交論争が勃発している。」と伝えています。

こうした事態を受けてロンドンのアメリカ大使館では「イギリスの国民的な飲みものに塩を加えるというありえない考えは、アメリカの公式な方針ではない。今後も紅茶は電子レンジを使って正しく入れます。」と釈明しているようで、それに対してイギリスでは「紅茶は電子レンジじゃなくケトルで入れて飲むものだ。」と反論しているようです。


このニュースを見てクスっと笑ったのもありますが、こういった討論を見たり聞いたりするたびに国による文化の違いは間違いなくあって、嗜好品であるものに「完璧」「正しい」「間違い」って言い切ることって出来ないよなぁ。とも思います。

商社、消費者、研究者。それぞれ見ている視点も違うだろうし、楽しみ方も違うだろうな。と。

僕は研究者ではなく茶商であり消費者だから科学的なこととかは分からないけど、紅茶の渋みはうまみだと考えているからそれをなくそうとするのはナンセンスだなと思うけど。

紅茶に加えるなら僕は、個性を消す塩よりも個性をいかすミルクがやっぱり良いな。


それでは、今日はこの辺で。また次回お会いしましょう。

神戸阪急店店長 笹岡