【神戸阪急店店長】英国一人旅 ⑥

茶畑の見学後は実際にこのダートムーア茶園で製茶されたお茶のテイスティング。
緑茶、紅茶、白茶など様々なお茶をテイスティングさせていただきました。

「ルキは紅茶専門店で働いているんだよね?」

「そうだよ。」

「じゃあ、今から僕たちが作ったお茶のテイスティングを始めるんだけど、思ったことはどんなことでも言ってね。これは好き、これは好きじゃないとかでも良いからね。」

とジョーが笑顔ながらも真剣に言っていることが伝わったので僕も「分かった!」と親指を立てながら応えました。

いざ、テイスティングの準備を始めると、え?蓋碗(がいわん)?
「ちょ、ちょっと待って。蓋碗でテイスティングするのはどうして?」

紅茶をテイスティングする際はテイスティングカップとボウルを使って、水色、味、香り、茶殻を視覚、味覚、嗅覚で評価をしていくのですが、ジョーたちは蓋碗を使って一煎、二煎と入れて評価をし始めました。

「僕たちはお茶を学ぶのに、インド、ネパール、日本、中国と茶の生産国に行ってきて様々なことを学んできた。学んでいく中でお茶のルーツは中国にあることに気づいたのと、僕らは様々なお茶を作り、それらを少量の抽出を複数回行うから蓋碗でテイスティングすることが僕たちには適していると感じたんだ。」

なるほどなぁ。と思いつつも少し腑に落ちないままテイスティングを始めました。

一煎、二煎、三煎と同じお茶を複数回に分けてテイスティング。
緑茶や半発酵茶に関してはこのやり方でも良いのかもしれないけれど、紅茶となるとやはりピンとこない。

「紅茶の味はどう?」

「香りは凄く甘いし、水色の色も綺麗。けど、味は僕にとってはソフト過ぎるかな。」
「美味しいけど少し物足りないかな。」

「この紅茶はこの春に摘み取って製茶したもので僕のオススメなんだ!」
「あ、この紅茶は味が強くて好きだな。」
「香りはどれも本当に甘いね!」
「良い香りでしょ?」

これは蓋碗でテイスティングをしているからなのか、この茶葉の特徴がそうなのか、いつもと違う方法でテイスティングを行うと判断が難しいなと感じました。こういう時、もっと英語が話せたらもっと意見交換が出来て、深いところまで話が出来るのになぁ。くやしー!と自分の語学力の低さに後悔した瞬間でした。

だけど、今回のテイスティングを経験して勉強になったのは紅茶のことだけでなく味香りを表現する際の単語です。

今まで海外のお客様が来店された時は「ソフト」とか「ストロング」とか「ライト」とか、使う単語が語彙力のない僕の中では限られてて。「フルーティー」とか「フラワリー」とかを乱用していたのですが、今回ジョーたちは「Melow」「Sweety」「Molty」「Sharp」をよく使っていました。単純な単語だけど海外のお客様が来た時にこれらの単語も使うともっとより良く伝えたいことが伝わるかも!とまたひとつ勉強になりました。

ジョーたちが作る紅茶は確かにこの4つの言葉通りの特徴を感じるものが多く、英国産の紅茶って少し日本の紅茶とも似ていて、でもまた違った魅力があって面白いなと感じました。

沢山テイスティングをして、あーだこーだ言い合って「お茶って面白いね!」って笑顔で話してたらあっという間にお昼時に。

「お腹も空いてきたしクリームティーにしようか!」と言うジョーに、待ってました!と言わんばかりの前のめりの「Yes!」と答える僕に笑うジョーとキャサリン。
本場のクリームティーを求めていざティールームへ!

つづく