ロンドンの紅茶巡りをしたあと、お待ちかねのアフタヌーンティーのお時間です。
智恵子さんと二人タクシーで向かい到着したのは、South Audley StreetにあるSoccaというレストラン。
こちらではホテルのアフタヌーンティーとはまた少し違ったカジュアルでありながらも、ロンドンらしい洗練されたアフタヌーンティーを楽しむことが出来ます。
お店に到着し席に案内されるとそこには先に到着していた智恵子さんの旦那さんのシドさんと、僕の英語の先生のケンがいました。
ケンは僕を見るなり「ルキ!さ、僕の隣においで。」と笑顔でご指名。
「日本からよく来たね。会えて嬉しいよ。」と僕の手を握りハグ。
ケンはシドさんが紹介してくれた僕の英会話の先生で、ビールが大好きな英国紳士。
英会話レッスンでは簡単な基礎英会話や旅行に役立つワンフレーズなどを熱心に教えてくれました。
「僕との英会話レッスンは役に立ったかな?」
「勿論だよ!ケンが先生で本当に良かった!ありがとう。」
「僕にとってもルキは良い生徒だよ。こちらこそ、ありがとう。」
と、ほのぼのと会話しているとアフタヌーンティーがやってきました!
ロンドンのアフタヌーンティーはフィンガーサイズのケーキや、セイボリーサンドウィッチ、小ぶりでてっぺんがツルっと黄金色に輝いたスコーンが主流ですが、ここSoccaはフレンチスタイルのアフタヌーンティーが楽しめます。
フィンガーサイズのケーキ、セイボリーサンド、そしてスコーンの代わりに濃厚なチョコクリームがたっぷりと詰まったプティシュー。
紅茶はポットティーで一人1ポットずつ提供されるのですが、フレンチスタイルということで紅茶はなんと茶葉抜き。英国で初めて茶葉抜きに出会い「英国で茶葉抜き?!」ととても驚きましたが、今回ロンドンの街並みを見ているとフランスに限らず様々な国籍のお店が多くあり、ロンドンは今、その国々の食文化が楽しめる街に変わりつつあるのかもなぁと思いました。
それはそれで良いことなんだと思います。
時代とともに技術の発展とともに便利なものが増え、人の暮らしはより暮らしやすくなり、街並みも変わり、年齢とともに体はたくましくなったり、衰えてきたり、目じりのしわが増え、僕に至っては最近お腹の浮き輪が気になるところ。
僕らだって毎日、毎秒、変わっていっています。
見た目だって中身だって感性だって、その時々、一瞬一瞬に心奮わせ、好き嫌い、興味関心も変わるでしょう。太い幹があって、太陽に向かって枝が伸びていくように、季節や環境によって草花の色が変わるように、変化を繰り返しながら歴史って作られていくものじゃないのかな。
だから、変わることって悪じゃないなと思うのです。
変わらないことが必ずしも正義ではないなって。
ただ、変わることを受け入れていくことの方が変化していくことの何倍も勇気がいることなんだろうな。目に見えないこと、自分の知らないこと、自分と違うことって否定しがちな僕ら。
素直に受け入れる、受け止めるってなかなかに困難だよなぁ。と。
茶葉抜きポットを見て「むむむ。」と思うのも素直な僕の気持ちだし、うーむ、難しい問題であーる。
でもまぁ、今、智恵子さん、シドさん、ケンさんと一緒に英国で、ロンドンで、一緒にお茶をしているこの時間が最高なことには変わりないよな。
なんて思いながら過ごす午後2時過ぎ。
隣に座るケンさんは、向かいのシドさんと近々行われる選挙の話で難しい単語が飛び交っている。
智恵子さんと僕はムジカの皆の話や、最近のロンドン事情や、今回訪れた茶園のお話などの会話に花が咲く。
気付けばポットの中身も空になり紅茶のおかわりを頼み、アフタヌーンティーを楽しんだのでした。
つづく