
皆さんこんにちは。神戸阪急店店長の笹岡です。
ここ5、6年前?いや、もう少し前かな?
「サロメチール香のするウヴァは偽物だ。」「ウヴァのあの香りは着香しているものだ。」と噂されるようになり、一時期に比べてそういったことを言う人は減ったものの、未だにこのような話をする方がいっらっしゃるのが現状です。
実際、小さな茶園で香りを付けて販売していたという話もあり問題視されていましたが、大前提として海外へ輸出される紅茶というのは全てティーオークションに出品されたものに限るのです。またティーオークションへ出品するためには厳重な審査と検査をクリアしなければなりません。ズルをして出品できるほど甘いものではないのです。
正規のルートで仕入れをしていればそのようなものが茶商の手元に届くことはありません。
届くとすれば非正規ルートで入手した場合に限るんじゃないですかね?
そして、日本にスリランカからどんぶらこと遠路はるばるやってきた紅茶たちは、僕ら茶商の手元に届く前に日本で改めて検査にかけられています。それこそ厳しい検査ですよ。
この検査をクリアしないと日本での販売は基本的には出来ませんからね。
食品輸入って本当に厳しいんです。
そのために何Kgも茶葉を提出し、決して安くない金額を支払って検査を行っているのです。
少なくともムジカティーはそうです。
皆様に安心安全なものを楽しんでいただきたいからです。
ですので、どうぞ皆さんはウヴァ並びにムジカティーの紅茶を安心してお楽しみくださいませ。
ウヴァという紅茶は年中生産されている紅茶ではありますが、7月~8月のクオリティーシーズン(旬の時期)かつ、この期間に雨に当たらないという限られた条件をクリアすると、ウヴァ特有のサロメチール香(メントールに似た香り)がガツン!と出てくるのです。
これがクオリティーシーズンのウヴァならではの特徴なのです。
逆を言えばクオリティーシーズン外、または条件を満たさな開場合(雨量が多い年)はこの香りが出てこないのです。
また、このサロメチール香成分はどの紅茶にも含まれています。
サロメチール香、バラに似た香り、穀物のような香り、葡萄のような香り、柑橘に似た香り。
これらの香り成分はどの紅茶の葉にも含まれていて、産地によってそれらの成分の出方が違うだけなので、ディンブラでもウヴァに似た香りのするものもありますし、ヌワラエリヤだってダージリンのような葡萄に似た香りがする時だってあります。
サロメチール香の香りがするウヴァが偽物だというならば、全く香りのしないウヴァがクオリティーシーズンだという証明はどのようにするのでしょうか?
シーズン外のウヴァは香りこそはありませんが色はしっかりと出るのでブレンド用に購入することがあります。その安価なものをクオリティーシーズンと同等の価格で販売することだって可能なわけです。「偽物だ!」「香りがないものが本物だ!」とおっしゃっているそのウヴァは本当にシーズンティーのものですか?
と、まぁこんな感じで堂々巡りになりますし、お互いに主語は大きくない方が良いなぁと思うわけです。香りがあるものも、香りが弱いものも全て「本物」のウヴァです。「偽物」って何?じゃない?
ちょっといつもよりアツくなってしまいましたが、本当にあんまりこういうことは言ってほしくないんですよね。茶園で働いている人たちのことを、スリランカのことをもう少しリスペクトしてほしいですし、信頼してほしいし、日本の茶商のことも信頼してよ。僕らだって誇り持ってやってんだから。
というわけで、2024年のムジカが選んだヴィンテージウヴァはサロメチール香がガツンと香るウヴァです。久しぶりにこんなに良いウヴァと出会えて本当に嬉しい限りです。
味と香りのバランスも良いし茶葉の色も本当に綺麗です。水色のゴールデンリングも美しい。
多くの方からご好評をいただいておりますので、まだの人は是非一度ご賞味くださいませ。
ヴィンテージウヴァはこちら
それでは、今回はこの辺で。またお会いしましょう。