
皆さんこんにちは。神戸阪急店店長の笹岡です。
昨年、英国一人旅の際に訪れたティールームが先月の7月31日に閉店したと知りました。
風と共に流れてくる花の香り、菓子が焼きあがる香り、紅茶の香り。
とても素敵な場所で、また英国に行く際は必ず訪れたいと思っていただけに今回のこの知らせはとてもとても寂しい気持ちになりました。
たった一度だけだったけれど、僕にとって素敵な思い出がギュッと詰まったティールーム。
こんな素敵な場所を紹介して連れて行ってくれたジョーとキャサリンに感謝です。
37年間お疲れ様でした。素敵な思い出をありがとう。
さて、今回タイトルにもある【紅茶日記】とは、ムジカティー本店に勤務しているアルバイトスタッフの子が記録してあるものなのですが、これがまた良いんですよね。
その子、個人のSNSで更新されているので皆様にはお見せすることが出来ないのですが、出勤日に飲んだ紅茶の感想を簡潔に書いており、またその言葉ひとつひとつがその子の感性を表していて「この子はこの紅茶を飲んだ時、こんなふうに感じたんだな。」と、その感想一つ一つが僕にとっても新たな気付きになって良い刺激となっています。
紅茶を飲んだ時の感想でよく正解を求められることが多いのですが、正解という正解はないと思います。一人一人感性が違うように、好みの味や香りだって違いますし、出会ってきた香りだって違います。
「美味しい。」と思ったらそれがあなたの正解です。
「あの人は葡萄の香りがすると言ったけど、私はもっと違った香りがするな。」と思ったらそれはそれで良いのです。そして、葡萄の香りがする表現した人も、違う香りがすると思った自分もどちらも間違ってはいないのです。
嗜好品の表現の仕方に正解も間違いもなく、僕はある程度は自由で良いと思います(大げさすぎる表現はどうかとは思いますが)。
あなたの今の感性を大切に楽しくティーライフを過ごしてほしいなと思います。
というわけで、今回入荷したカングラとダージリンセカンドフラッシュ キャッスルトン茶園を飲んだ僕の感想を書いて今日は終わろうと思います。

ダージリンのルーツティーともいわれているカングラティーは、実に10年ぶりの入荷です。
ダージリンのファーストフラッシュに特によく似ていると言われていますが、飲み進めていくうちにダージリンとはまた異なるカングラの魅力というのがよく伝わってきます。
淡い水色、口に含んだ時のフルーティーで爽やかな香りから、徐々に華やかな香りへと変わっていき、味わいも渋みとも旨みともまた少し違った酸味のようなものを僕は感じました。
とにかく香り高い!この香りの良さは口頭や文章だけでは伝えきられない。
最初の一杯は本当に柔らかな、でも決して頼りなくないしっかりとした味わいは「確かにダージリンとよく似ているな。」と思えるほどでした。
そこから二杯目、三杯目とどんどん成分が濃くなる頃、ダージリンのファーストフラッシュだったら渋みもしっかりと出てきて、その力強い味わいに僕はたまに飲み疲れをしてしまうのですが、カングラは違います。
味わいはしっかりしているのですが、先にも伝えたとおり渋みとも旨みとも違う酸味のようなものを僕は感じ、それだからか全然疲れないんですよね。何杯でも飲めてしまえるというか。
先日、酸味を感じる日本酒を飲む機会があったのですがその時と似た印象を持ちました。
本当にこのカングラティーは味も香りも勿論素晴らしく美味しいのですが、それ以上に面白い。
こんな紅茶があるんだと思わせてくれます。

そして、ダージリンのセカンドフラッシュ キャッスルトン茶園はもういわずもながなのですが、やっぱりキャッスルトンって凄いなと改めて感じました。
美味しすぎる。本当に。
ダージリンティー特有のマスカテルフレーバーも、こんなにも甘くなるのかと感動しました。
今年のセカンドフラッシュは、芳醇、完熟、カカオ、という言葉がよく似合います。
爽やかでフルーティーな香りが好きな人はもしかするとあまり好みではないかもしれませんが、僕個人的には味も香りも水色もバランスが良いということと、
「良いモノ、良い紅茶を飲んでいる。」という幸福感を与えてくれるそんな紅茶だなと感じました。
ストレートティーでしっかりと風味を満喫した後は、ミルクを少し入れてみてください。
ミルクを入れることによって味わいがまろやかになり、また甘い葡萄のような香りが際立ちます。
ファーストの時期はどうなることかと思ってたけど、今年は不作の年なのかもと覚悟してたけど。
もうね、本当に美味しい。何度でも言うけど、今回入ってきた2種類は本当に美味しい。
待ってて良かった。本当に。大絶賛です。
皆さんも是非ご賞味くださいね。
それでは、今回はこの辺で。また次回お会いしましょう。